今回、最優秀賞を受賞された企業に商品開発までの経緯について、取材させていただきました。
どの商品も企画から完成までには様々な試行錯誤があり、その商品に対するこだわりをお聞かせいただきました。
部門別選択
人気の「牛めし重」と「はらこ飯」を一つに組合せ、週末や催事に向けさらに支持を得られる商品を目指しました。人気商品を合体させただけで売れるようになるとは限りません。そこに進化が無ければ支持は得られないと考えています。そのために、原料や製造方法などを見直しました。はらこ飯の鮭には「伊達のぎん」と三陸秋鮭のいくらを使用し、鮭は皮付き骨なしの状態から惣菜キッチンで調理。ご飯ははらこ飯本来の炊き方にこだわり、焼いた鮭のアラを調味液と一緒に炊き込むことで本格的な風味を実現しました。牛めしには精肉部門で拡販中の肉質が軟らかくクセの無いブラックアンガス牛肉を使用し、店内でじっくりと鍋で甘辛く炊いています。また、付け合せの厚焼き玉子も店内で割卵し手焼きしています。今回、当商品の店内調理工程は大変多いですが、“手間をかけた方が美味しい”ことを従業員もお客様も分かっており、我々はその期待に応えられるように美味しさを進化させていきたいです。
株式会社ウジエデリカ
(本社/宮城県仙台市)
(左)商品グループ
惣菜MDチーム長 藤原 隆史
(右)商品グループ 兼 生産グループ
開発チーム長
須藤 友文
弁松は現存する日本最古の折詰弁当専門店として嘉永3年(1850年)から165年以上が経ちました。「蛸の桜飯」は江戸時代から作られている「蛸の桜煮」の節約術から生まれた商品です。「蛸の桜煮」を作る際に、蛸の足の先端などの細かい部分が残り、美味しい蛸を すべて使い切るために開発されました。現在の桜飯はごろごろと大きめの蛸をご飯と一緒に炊き込んでいるところが特長です。蛸は丁寧に下処理と下茹でを行うことで、一緒に炊き込んでも硬くならずに軟らかく炊き上がります。また、弁松の弁当には野菜の甘煮が必ず入っており、これが弁松の味とも言えます。甘煮は“あまに”ではなく“うまに”と読み、漢字では“旨煮”とも書きます。中でも里芋の甘煮はどの煮物・焼物よりも時間をかけて作っており、筍や蓮が約1時間なのに対し、里芋は砂糖と醤油をたっぷりと使用し2時間半もかけて炊き上げます。弁松の商品には“秘伝のタレ”というも のはなく、時間をかけて丁寧に真心をこめて作っているだけなのです。
有限会社日本橋弁松総本店
(本社/東京都中央区)
代表取締役 樋口 純一
「ベーカリーオーブンのアイドルタイムを何とか有効活用できないものか?」普段から常に改善方法を考えていました。アイドルタイムを有効活用し、かつ従業員のオペレーションを崩さず負荷の少ないメニューを開発するため、果物や野菜など様々なオーブンメニューの試作を繰り返しました。季節が夏だったため、バーベキューをイメージして開発したのが当商品です。玉ねぎに熱が入りやすいように切り込みを入れてベーカリーオーブン200℃で30分、さらにアルミホイルをかけて30分焼きます。ほどよく水分が飛び甘味が十分出たかどうかは、見た目と触った感触で感じることがポイントです。焼き上がりに旨味が強くマイルドさが特長のフランスのゲランド産岩塩をかけて終了です。現在、玉ねぎとりんごのオーブン焼き各10個をアイドルタイムに製造し、ロスはありません。シンプルな商品ですが支持も高まっており、何よりもアイドルタイムの改善と次に繋がる商品開発が出来たことが嬉しいです。
株式会社信濃屋食品
(本社/東京都世田谷区)
代田食品館 惣菜部 古川 隆裕
サラダに関しては4年前から注力してきました。トマトやコーンなど、単品野菜をメインにしたサラダが流行りましたが、次の商品としてはメインディッシュなどと一緒に食べる“おかずサラダ”やちょっと贅沢を感じて頂ける“ディッシュサラダ”を考えており、同時に野菜 を多く摂ってもらえるように工夫しました。今回、当商品では女性をメインターゲットに、主婦の1人での食事や単身有職女性の夕食など、この商品で完結するシーンを想定して開発。鶏もも肉は食欲を誘う特製タレに漬け込んでからオーブンで焼いています。ドレッシングはアンチョビソースやオリーブオイルなどを加えた特製シーザードレッシングに粉チーズをトッピングした濃厚な食べ応えに仕上げ、さらに温玉でまろやかさをプラスしました。今回、最優秀賞を受賞したことで、我々が作った商品の社外評価が判り嬉しく思います。今後は、失敗を恐れず、安定志向にならず、様々なアイデアを形にすることにチャレンジしていきたいです。
ユニー株式会社 (本社/愛知県稲沢市)
食品本部 鮮魚部兼アピタ営業本部
食品部惣菜担当 バイヤー 米津 竜一郎
ローソン40周年を迎えるにあたって「本気でおいしい」をテーマに各カテゴリーで開発を行ったのですが、サラダを一から考え直して出来上がったのが、この「主役になるサラダ」です。女性を主なお客様に想定し、これだけで食事になるように、サイズは大きめ、そして食べ飽きないように野菜、肉などをバランスよく盛り込みました。ランチでの需要に加えて、夜も食べてもらえることを考えたのも今回のポイントです。結果として、夜ごはんを軽くすませたいとお考えの方が購入されるケースも多くみられました。「食事」にもなる食べごたえがありながら、エネルギー量が1食当たり157kcalということも人気につながったのかもしれません。メインとなる蒸し鶏は工場で蒸していますが、希望する食感、味に行き着くまでに試行錯誤を繰り返しました。また、味の中心となる和風ドレッシングも、炒め具合の異なる2種類の玉ねぎを加えたり、しょうゆは普通のものとたまりしょうゆを混ぜてコクを出すなど工夫しました。
株式会社ローソン
(本社/東京都品川区)
商品本部 デイリー商品部
マーチャンダイザー
塚田 牧子
今年度は「忘れられがちな地元の味や習慣を大切にして欲しい」という思いから商品作りに取り組みました。ゴールデンウィークやお盆など、帰省する方の多い春夏に向けてそうめんにチャレンジ。この商品の一番のこだわりはつゆです。地元土佐清水沖で一本釣りされた宗田鰹から作られた宗田節をふんだんに使用し、深い味わいと高い香りのつゆを作りました。つゆは鰹節をメインに宗田節や昆布だしを加える形がポピュラーですが、当商品のつゆは宗田節と醤油、味醂、酒等を合わせて作りました。宗田節は鰹節よりも濃厚なだしがとれることで有名です。さらに、このつゆには厚削り節を使用しより濃厚なだしを抽出しました。濃厚ですがしょっぱくなく、そうめんを食べた後につゆも全部召し上がって頂けます。盛付けは、一口サイズに箸で巻つける「おきゃく」と呼ばれる郷土料理の皿鉢料理での盛り付け方に倣いました。帰省する方や高知出身以外の方など、高知の伝統や食文化を知って頂ける良い機会となりました。
株式会社サニーマート (本社/高知県高知市)
商品部 惣菜・ベイク統括マネージャー 兼
惣菜チーフバイヤー 野町 道子
「これは和食なの?」と驚きと感動を与えるメニューを提案しました。カレーうどんは日本人にとって定番商品ですが、タイカレーで食べるカレーうどんは中々ないメニューです。一番苦労したのはやはりスープです。レッドカレーペーストを十数種類用意し、レッドカレーの風味を残しつつ、和のテイストで包み込む食べやすいスープにたどり着くまで100回以上の試作を繰り返しました。日本人の男性にはココナッツミルクの風味が苦手な方が多く、レッドカレーペーストに鰹だしのそばつゆや生クリーム、牛乳、バターを加えコクを出し、さらにチーズをトッピングすることで旨味を アップさせました。麺はコシがあり経時変化にも強く、作業性も高い冷凍麺を使用。食べる際に温泉玉子を絡めることで、さらにコクと旨味がアップします。つけ麺として提案しましたが、ぶっかけ麺としても美味しく頂けます。今後も和食のジャンルを超え、驚きと感動を与えられる商品を提案していきたいです。
DAY・NITE 大手町店(販売店)
(本社/東京都千代田区)
和食料理長 市石 和馬
「家庭の冷蔵庫と同じように、店舗で今使っている原材料で美味しいものは出来ないだろうか?」。当商品は東北フェアでのスポット商品であり、作業性や発注面などの現場負荷を考えると、店舗にある原材料で商品を作ることがより効率的といえます。これまではメニュー開発する際にキット化することが多かったのですが、当商品はキットではなく店舗にある原料で料理するという発想でチャレンジしました。今回のはらこ飯用の鮭といくらはおにぎりの具材でもあり、茶飯は前回最優秀賞を受賞した「牡蠣めし弁当」のベースの茶飯を使用しています。また、原料をブラッシュアップし、鮭は脂ののったトラウトサーモンを店内で焼いてほぐし、いくらは食感と色味の良い大粒のキングサーモンのいくらを使用。おにぎりの原料も同時にブラッシュアップとなり約40%伸長しました。今後も原料や商品の磨き上げをしながら、生鮮部門との連携も進めることで、より「料理」らしい当社のこだわり商品を開発したいと思います。
サミット株式会社(本社/東京都杉並区)
総菜部 チーフバイヤー 岡田 崇
現在の店舗を展開する前に、約15年間トルコ宮廷料理のレストランを経営していました。当店は羽田空港内のスタンド店ですが、宮廷料理のときと同様、トルコで採用したシェフに本場そのものの料理を作ってもらっています。特に日本人向けに変えなくても、トルコ料理は日本人の口によく合います。ケバブとはトルコ料理では焼き肉の総称。最近ではケバブの認知が高まっていることもあり、鶏、牛、挽き肉のケバブを一度に楽しめる弁当を開発しました。肉の味付けには、化学調味料は一切使っていません。しっかり味が付いているので、冷めてもおいしいのが自慢。また、ボリュームたっぷりで野菜もしっかり入っているので、空港内で勤務されている方のリピートも多く見られます。ハラル認証をとっているため、肉はもちろん砂糖などの調味料にいたるまですべてハラル食材です。国内線ターミナルですが、国際線ターミナルからわざわざイスラム教徒の方が買いに来てくださることもあり、需要の高さを実感しています。
ミセス イスタンブール(販売店)
(本社/東京都中野区)
ミセス イスタンブール店長
伊原 久美子と料理人のみなさん
いちやまマートは食品や素材の風味を活かし、無添加、糖質カット、低カロリー商品を「美味しさ・健康・安心」をテーマに提供しています。当社では一昨年から“健康”についての勉強を重ねてきました。近年、糖尿病とその予備群は200万人とも言われており、“健康”をテーマに掲げている我々としても、デリカで“食べて美味しい健 康”の商品開発に着手しました。当商品は地元山梨県産の白米に「もち麦」を配合したおにぎりです。「もち麦」は水溶性の食物繊維が豊富な他、βグルカンという成分はゆっくりと吸収されるので、血糖値が上がりにくく糖尿病予防に効果があると言われています。当商品を白米のみで作った場合に比べ、食物繊維量は2.1倍です。購入者は女性が多く、“間食”や“子供のおやつ”に購入する方も多くいます。発売後は、一緒に健康について勉強をしたメイトさん達からも大変人気の商品となっています。今後の健康系商品としては、今話題のスーパーフードを使用した商品を計画中です。
株式会社いちやまマート(本社/山梨県中央市)
デリカ部・ベーカリー部 衣料部兼任部長
深沢 瑞彦
夏向けのメニューを開発しようとしていたところ、業者の方からなすの漬物の提案を受け、おむすびに使用することを考えました。野沢菜や高菜などはありますが、なすの漬物を具材として使用した例は見たことがなかったので、面白いかと思ったのです。開発を始めてみると、なすの漬物そのままでは具材として地味であることがネックに。そこで、なすを細かく刻んだものを青唐辛子味噌と和えてみたところ、さわやかな辛味がアクセントとなり魅力的な具材に変身しました。ただし、少しピリ辛すぎるかとも思われたので、海苔の代わりに甘みのある高菜でおむすびを巻くことで、全体のバランスを向上させました。また、見た目にもショーケースの中で目を引く存在になりました。店舗での売れ行きも好調、お客様からの評判も良く、特にメインの層である40〜50代の女性から「ありそうでなかった味」とご好評いただいています。夏メニューですが、今年は早めにスタートさせ、今後は定番化していきたいと考えています。
株式会社古市庵(本社/福岡県久留米市)
営業本部 商品部開発課 尾林 理一
いなり寿司は近年ダウントレンドとなっており、特に若い層の購入は少なくなっています。何とか若い層にも食べて欲しいと考えており、これまでのいなり寿司のイメージを覆す洋風いなりを開発しました。酢飯をシート状のいなりで棒状に巻き、カットしてからチーズとトマトケチャップ、プチトマト、ベーコンをトッピングし、スチコンで焼きました。スチコンで焼くことで、酢飯の酢が少し飛んでしまいますが、ケチャップが良い塩梅で酸味を補ってくれます。一見、手間のかかる商品のようにも思えますが、アイドルタイムに焼く前の状態でセットしておくことで、ピーク時にも効率よく調理・提供することができます。また、当商品で使用するプチトマトやバジルなどは、青果部門からの振替えを行い使用しています。当商品以外の商品においても、生鮮部門と密接に連携し美味しい商品を提供するために店全体で協力し合っています。また、部門間協力により、ロスなく提供することにも役立っています。
相鉄ローゼン株式会社(本社/神奈川県横浜市)
相栄フーズ株式会社 営業本部 惣菜部
バイヤー・SV 黒川義哉
地元の伝統食品である“南関あげ”の専門メーカーが経営母体であるため、このあげをより楽しんでいただけることを目指し、新たな商品づくりに日々取り組んでいます。南関町ではこのあげを使った寿司が昔から親しまれていて、おもてなしなどにもよく食べられているので、毎日の食事はもちろんのこと、お土産としても使っていただけるいなり寿司を企画しました。コンセプトは「シンプルで上品ないなり」。いりこ、かつお節、羅臼昆布、さば節を使った自家製だしに、地元メーカーのしょうゆを使用した、旨みたっぷりのつゆであげを煮ています。甘さ、味の濃さのバランスは、苦労したポイントです。トッピングの酢れんこんも、色合いの美しさを出すように工夫しました。かんぴょうは一つ一つ手結び、黒ごま、わさびも丁寧にのせるなど細かい作業が必要なので、スタッフの技術を上げることも大きな課題でした。ごはんには地元の南関米を使用しており、南関町の自然の恵みをたっぷり感じていただけます。
塩山食品株式会社(本社/熊本県玉名郡)
いきいき村寿司部のみなさん
「地産地消」商品に会社を挙げて取り組んでいる静鉄ストアでは、当商品も地産地消をもとに開発しこだわった「選味鮮価」商品です。今回、静岡の四季の産物を“あんぱん”で表現。静岡、春、とくれば“お茶”です。2015年は徳川家康公の没後400年の佳節を迎え、家康公に献上の由緒ある「本山茶(ほんやまちゃ)」使用のあんぱんの開発に至りました。本山茶は特に香りが高く、渋み、旨みなどのバランスのとれたブランド茶です。餡は北海道十勝産手亡豆の白餡に本山抹茶を練り込むのですが、通常は餡に対して約1%のところ、当商品は2%の抹茶を贅沢に練り込みました。また本山茶の風味を引き出すために糖度を45度に抑えました。今回、餡と抹茶の配合、そして糖度と何よりあんぱんとして最適な組み合わせで納得するまで10数回試作を重ねました。本山茶以外にも今年度は甘夏ミカンの「スルガエレガント」やブランド苺の「紅ほっぺ」など、旬の地元産物を使用したあんぱんに挑戦、商品化しお客様にご提案させて頂きました。
株式会社静鉄ストア(本社/静岡県静岡市)
(左)営業本部 商品部 ベーカリー課
副課長 兼 バイヤー
西村 公伸
(右)営業本部 商品部 ベーカリー課
課長 兼 バイヤー
吉川 哲也
総合ディスカウントストアである弊社が生鮮食品とベーカリーの販売を始めたのは2009年のこと。値段を気にせずにパンを選ぶ楽しさを感じていただけるようにと、ほとんどの商品を100円の均一価格で販売しています。サンドイッチに使用している食パンはメーカーと共同開発したもので、粉の配合から焼き方まで、取引先の製パン工場とともに作りあげた自慢の品です。こだわったのは、耳まで食べられる柔らかさ。このフルーツサンドも、耳をつけたまま販売しています。具材のキウイには青果部門で仕入れたフレッシュのものを使用。ホイップクリームは冷凍タイプではなく、店内で毎日泡立てたものを使用しているので、なめらかでフワッとした食感をお楽しみいただけます。100円の価格でご満足いただける品質を提供できるよう頑張りました。主婦層はもちろん、意外にも中年男性のファンも多く、1日平均で店舗ごとに 20個ほどを売り上げています。
株式会社ミスターマックス
(本社/福岡県福岡市)
営業本部 スーパーセンター運営課 吉田 誠
「黒鳥茶豆」とは新潟市西区の黒鳥地区で収穫された枝豆であり、当社の登録商標です。当社は3年以上前から契約農家さんより黒鳥茶豆を全量仕入れており、枝豆ギフトとしても大変人気です。黒鳥茶豆の最大の特徴はその風味です。早朝から始まる“朝採り”作業により、その高い香りと瑞々しさ、甘さが出ると言われています。今回、新潟県が枝豆消費量日本一であることもあり、新潟県最高峰の黒鳥茶豆使用の商品を開発しました。茶豆をずんだ餡にする工程で重要なのが薄皮の除去であり、茶色い薄皮の有無が餡の色に大きく影響します。皮は多少残りますが、茶豆使用の証ともいえます。風味を最大限活かすために豆は粗めに潰し、砂糖は少なめで塩も配合します。餅は国産もち米のみを店内炊飯。原料が高価なこともあり1個120gで198円と小豆餡のおはぎよりも高めですが、一度食べたお客様のリーピート率が高い商品です。「おこわ」「コロッケ」も開発し、面で売場訴求したことで大変好評です。
株式会社キューピット
(本社/新潟県新潟市)
商品部 総菜部門バイヤー 石井 敦
奈良県の地産地消レストラン「奈良の里山料理 ほうらんや」。当店でお出ししている人気のスイーツの【里山プリン】です。原料には、奈良の名産品の吉野葛、また奈良のブランド卵“大和なでしこ卵”をはじめ、牛乳も地元産を使用。本葛を使用している為、今流行りのトロリとしたなめらか系のプリンではないのですが、ほどよい食感と素朴で上品な甘さが特徴です。開発にあたっては、吉野葛を使用した上でのかたさ、なめらかさや色合いと甘みの調整に時間をかけました。きな粉と黒蜜を別添えにしてあるので、最初はぷりんだけ、後できな粉、黒蜜をかけて、変化を楽しんでいただけます。現在は店頭のみでの取り扱いですが、一般の方への地方配送による小売などの展開も考えています。自然豊かな奈良には、とびっきりの食材が豊富です。食材の持ち味を生かしたハンバーグや季節野菜のお惣菜、スイーツ等全て手作りの為、たくさんお作り出来ませんが、これからも、笑顔になれる優しい料理を作り続けたいと思います。
株式会社徳(奈良の里山料理 ほうらんや)
(本社/大阪府大阪市)
料理長 荻野 公宏
高知県庁が推進する「減塩プロジェクト」の一環として当商品を開 発しました。当社店舗でも健康食品やグッズなどの拡販の他、栄養士が対応する「健康促進イベント」なども開催し、惣菜部門でも“減塩”を切り口にしたメニューを提案することにしました。当商品は総重量540gに対し含有塩分量1.43gであり、日本高血圧学 会が推奨する1日6g未満を大きく下回ります。1日3回食しても6g未満となるように調整しました。しかし、塩分量が少なくても美味しくなくては意味がありません。味付けではだしを効かせたり、さつま芋をオレンジ煮に、マヨネーズには豆板醤を混ぜるなど、“旨味・酸味・辛味・甘味”を上手く使い、塩味を感じなくても美味しく食べられる工夫をしました。また、豚のしゃぶしゃぶは地産地消を意識し、精肉部門の差別化商品である宿毛産「ケンボロー豚」を部門間連携のもとに使用。今後は他の商品においても、塩分量が少なくてもしっかりと味わえる商品をアピールしていきたいです。
株式会社くりはら(本社/高知県宿毛市)
食品事業部 営業一部 営業課長 有田 香二
弊社と同じ大阪市住之江区にある相愛大学との地域連携事業として、弊社代表が発達栄養学科にて商品開発について講義を行い、約9ヶ月かけて学生の皆さんと弁当を完成させました。「商品開発の本質」についての講義、各業態の視察など、売る立場・買う立場でのマーケットについて理解した上で、3チームに分かれコンセプト設定、献立立案、試作、器の選定、ネーミングまで10回以上の講義や打合せを実施。学生さんが考えたこのお弁当のキーワードは「サプライズ」。お客様に喜びを感じて頂く為にたどり着いた素材は「野菜」でした。完成したお弁当は、春らしく彩りのよいヘルシーな弁当となりました。「こんなにたくさん野菜が入っている弁当は見たことがない」とお客様からも好評です。17種類の野菜は、「日本で一番野菜の種類の多い弁当を作りたい!」という学生ならではのチャレンジ精神あふれる企画でした。ネーミングは100 個以上の提案から独創的なネーミングを採用させていただく事となりました。
株式会社徳 (本社/大阪府大阪市)
執行役員 社長室長 向山 修司
新米がおいしい11月までの期間限定メニュー。使っている米は、惣菜スタッフが田植えから草抜き、収穫までお手伝いさせていただいている山口県にある「農業組合法人うもれ木の郷」のコシヒカリです。スタッフ自ら米作りに携わることで、お客様に安心感をお伝えできればと考えています。寒暖差の激しい土地で作られる米なので、甘み、旨みが強いのが特徴。また、炊いたときに米が立っていてツヤがあるので、この美しさも楽しんでいただきたいと思いました。米の味わいをシンプルに伝えるため、おにぎりは具材なしにしました。また、合わせるおかずも米の味を邪魔しない、味の強すぎないものを厳選。山口県の家庭の味である煮物「けんちょう」を入れたのは、食べる方にほっとしていただくための工夫です。山口県の昔ながらの田舎の弁当をイメージしました。この弁当を通じ、米を食べてきた日本人の心、また親から子へと家庭料理を伝える大切さを、少しでも感じていただければうれしいと思っています。
株式会社丸久(本社/山口県防府市)
(左)商品統轄部
商品開発
森重 智美
(中)生鮮食品部
惣菜バイヤー
粟屋 拓也
(右)商品統轄部
商品開発
井原 一恵
もともと関東限定で販売していた商品ですが、人気のため全国販売に変更しました。関東で有名な寿司の美登利総本店に監修を受け、価格、味ともに納得できるものを10 年前に開発。現在でも、酢飯、タレなど味のキーとなる部分は変えておらず、しいたけ、マヨネーズ、ガリという構成も同じです。特にガリはアクセントとなっており、他にはない味わいだとご好評いただいています。毎年、期間限定で販売しているため固定ファンも多く、味を変えずにご提供することに注力しています。秋刀魚の価格高騰により、400円以下という販売価格を保つことには苦労していますが、お客様に喜んでいただけるよう尽力しています。秋刀魚に関しては毎年脂のノリなど、身の質が異なるため、焼き時間や温度調節その他の加工方法を変えるなど、できるだけ身の縮みを少なくし、ふんわりと仕上げるようにしています。商品名「とろさんま」の定義ですが、脂質の割合を定めており、それに見合う秋刀魚のみを使用しています。
株式会社サークルK サンクス
(本社/東京都中央区)
(左)商品本部
ファーストフード部
米飯 マーチャンダイザー
中村 盾一
(中)商品本部
ファーストフード部
米飯 バイヤー
原 美恵子
(右)商品本部
商品企画部 商品企画
統括マネージャー
河西 良之
12月20日は「ブリの日」です。2014年、大手ガス会社のCMにおいて「スペアリブ」と「スペアブリ」というフレーズが話題となって おり、このCMを参考に「ブリ vs リブ」の対決セール企画を実施しました。生鮮素材の売り込みにプラスして、惣菜でも「ブリ大 根 vs リブ大根」を企画。これが大成功!大根は青果、ブリは鮮魚から「豊後ぶり」を、リブは精肉から「やまと豚」を展開。そして惣菜部門からはこれらの素材を鍋から調理して販売。店舗全体で「ブリ vs リブ」対決を盛り上げました。結果、ブリはもちろん、関連部門の売上も前期比で大きくプラス!当社では毎月、テーマを決めての「陳列コンテスト」を実施しています。「肉まんの日」や「黒の日」などの記念日や各地の物産展などのテーマが多いのですが、このような全部門がクロスしての訴求することはなかなかありませんでした。今回生鮮プラス惣菜の4部門がひとつになって企画実行できたことが大成功に繋がったと思います。
株式会社スズキヤ(本社/神奈川県逗子市)
逗子駅前店店長 大川 洋